[BlackBerry] BlackBerryが端末生産終了を発表。でも希望は捨てず前向きに考えてみませんかというお話 #BlackBerryJP

いつかくるXデーだったとはいえ、やはり現実に発表されるとショッキングな気持ちはありますが…
BlackBerryが端末製造から撤退、ソフトウェアに注力へ | ケータイWatch
http://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1022533.html

Twitterの #blackberryjp ハッシュタグでも落胆、悲しみ、失望のツイートが溢れ、同ハッシュタグにしては投稿が多く賑やかではありながら、心情的にはお通夜状態という流れになっております。


・・・だがちょっと待ってほしい。

たしかに、自社で端末を開発、生産するのは辞めると発表はしましたが、ハードウェア関係については、インドネシアに設立した合弁会社に移管するというような一文も含まれていました。
Entered into a licensing agreement with telecom joint venture in Indonesia, BB Merah Putih, to manufacture, distribute and promote BlackBerry-branded devices running BlackBerry's secure Android software and applications
BlackBerry announces Q2 Fiscal 2017 results | CrackBerry
http://crackberry.com/blackberry-announces-q2-fiscal-2017-results

さらに、Chen氏もQWERTY端末は今後もリリースしていくと表明したようですね。
John Chen: BlackBerry QWERTY keyboard will live on | CrackBerry
http://crackberry.com/john-chen-blackberry-keyboard-will-live

しかし、そこでやや気になるのが、なぜインドネシアに合弁会社なの?という理由ですね。これを考えてみると、意外とポジティブな気持ちになれるかも知れません。

インドネシアはBlackBerry好きが多い


そもそも、インドネシアって公用語はなんですか?レベルであまり実際を知らない国だったりもするのですが、ネットの情報を調べてみると、実はかつてインドネシアはアメリカに次ぐBlackBerryユーザがいて、BlackBerryのシェアも非常に高かったために、BBMも多く使われている、親BlackBerryな国であることが見えてきます。
インドネシアでモバイルチャットアプリ人気ナンバー1はBBM(BlackBerryメッセンジャー) | BlackBerryBank
http://blackberrybank.com/app/1004562135
というBlackBerryBankさんの記事によれば、
BlackBerryはインドネシアで強い存在感を示していますが、チャットアプリはBBMだけではなく、WhatsApp・Skype・KIK等いくつかの人気チャットアプリの選択肢があることを忘れてはなりません。

そんな中、BBMはインドネシアで最優秀モバイルチャットアプリを受賞。
ということです。

そこで、「インドネシア BlackBerry」で検索してみるといくつかの記事が見つかりました。

これは、ややBlackBerryに対してはネガティブな視点の記事ではありますが、BBMがどれだけインドネシアでプレゼンスを持っていたかがわかる記事です。
インドネシアでBlackberryが強力であり続ける理由と、それでも今後の劣勢が予測される理由 | THE BRIDGE
http://thebridge.jp/2013/04/blackberry-remains-powerful-still-going-to-lose
また、実際にインドネシアの一般的なユーザに聞いたこんな記事も。
ジャカルタ娘達に聞いた!インドネシアの最新スマホ・BBM事情 | ACTZERO
http://www.actzero.jp/social/report-4985.html
その他、こんな記事も。
インドネシア:メッセンジャーアプリのユーザ獲得競争 | 佐藤仁「Global Perspective」
https://www.icr.co.jp/newsletter/global_perspective/2013/Gpre201350.html

インドネシアは国策で端末生産を推進している


さらに、インドネシアの携帯産業的な側面からのレポート記事に、興味深い内容がありました。
インドネシアからの輸入品が目立つ東ティモールのスマートフォン市場 | WirelessWire
https://wirelesswire.jp/2016/09/56696/
上記記事よりいくつか引用しますと、
なお、インドネシア政府は国策でスマートフォンの国内製造を促進しており、インドネシアブランドはもちろんのことグローバルブランドのスマートフォンでもインドネシア国内製造が増加している。(上記記事より引用)
BlackBerry自身はいち民間企業ですから、経営判断でハードウェアの開発製造について判断しなければいけませんが、インドネシアは国を挙げて推進している分、端末製造に対するハードルが低くなっているということなのでしょうね。
東ティモールでは、調達先がインドネシアというだけではなく、インドネシアで製造されたスマートフォンも流通している。過去にインドネシアではBlackBerryが人気の時代があり、複数のインドネシア企業が物理的なQWERTYキーボードを搭載し、BlackBerryが提供するBBMをプリインストールしたスマートフォンを販売するが、東ティモールでもこれに該当するスマートフォンを見られた。(上記記事より引用)
そして極めつけはこの端末ですよw

QWERTYキーボードを搭載、BBMプリインストールのEVERCOSS A10Q
(写真は上記記事より引用)

A10Qっていうモデル名のようですが、これさあ、Q10の○クリですよね?w
もう、この機種のキーボードがOKだったら、なんでTYPOがダメだったのか全く分かりませんよねw

いかがですか?こんな国が合弁企業、ある意味BlackBerry本体と親密な関係を持つパートナー企業として、インドネシアで端末開発、製造を行うっていうのは、意外と面白そうだったりしませんか?


単に撤退なら合弁企業なんかいらないはず、つまり・・・


単に撤退とか、生産終了とかいうのは簡単なんですが、BlackBerryだって何も考えずにハイ撤退です、あとは知りません、以後全部フルタッチのOEMですが何か?というんじゃあまりに筋が悪すぎることは理解していることでしょう。

しかも、セキュリティを前面に打ち出して端末をリリースしても、市場にそれほど受け入れられていないという現実があります。

まあ、個人的には、PRIVを購入したのはBlackBerryのAndroidセキュリティに対する姿勢とやる気を割と重要視していました。Androidは正直、販売額ベースではまぎれもなく世界トップシェアであり、同時に深刻な脆弱性があっさり放置されていることに関しても、世界トップのプラットフォームだと思っていますのでw

だからQWERTYが売りになるのかといわれれば、正直、現在ではニッチニーズなんだろうと思いますが、とはいえBlackBerryファンを自称する世界中のユーザーたちは、QWERTYキーボードこそBlackBerryと考えているというのもまた事実であり、BlackBerryが他者端末と差別化できる数少ない要素であることもまた確かです。あとはデザインのカッコよさとかですかねw

でもOEM供給で端末調達しようと思ったところで、QWERTYキーボード搭載のAndroidデバイスを作っているベンダーなんて皆無なわけですから(インドネシア以外w)、そのままシンプルに「自社開発生産辞めますので今後はOEMで」では、その少ない差別化要因すらゼロになってしまうのです。

とはいえ、会社として財務数字的に、ハードウェア部門が足を引っ張っているのは確実なことのようですし、ソフトウェア事業に伸びしろがあり経営の順調さをよりアピールするためには、帳簿上はハードウェア部門の数字を本体から切り離して、数字の見栄えをより良くしたい。というところから、合弁会社への移管というストーリーが出たのかもしれないですね。

ちなみに、ほとんど注目されませんでしたが、BlackBerryは、実はソフトウェアソリューションのベンダーとして、今年7月に日本市場に再上陸を宣言していました。それだけ、ソフトウェアに自信を持っているんですよね。
BlackBerryが法人向けソリューションで日本市場に再挑戦 | ケータイWatch
http://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1012392.html

悲観してても仕方ない。次の一手に期待


とまあ、割と好意的なことばかり書きましたが、もちろんインドネシアだってBlackBerryの天下は数年前までの話で、今ではAndroidでBBMが動くので、BlackBerry端末自体のシェアは相当厳しいんだろうとは思いますし、合弁会社で今まで通りの端末が作られるかももちろん未知数ではあります。

でも、百聞は一見に如かずじゃないですが、上記に引用した端末の写真を見て、なんだかニヤニヤしてしまうのもまた事実です。そういうちょっと怪しげな端末ではなくて、ちゃんとライセンスされたBlackBerryブランドの面白い端末が「Made in Indonesia」として出てくるのを、期待しようではないですか(モバイルチャイナフリー的にも歓迎w)。

ま、ぶっちゃけ根拠のない妄想ではありますが。

もしかしたら、一部マニア待望の、9900サイズのAndroid版BlackBerryとか、PassportのAndroid版とか、ライセンスも提供されるならば、可能性がなくもないわけですからw

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